コミュニケーションの弱さは本当に発達障害?
今日卒業された20代女性
職場のマルチタスクや大人コミュニケーションの弱さから発達検査を受けたいと当院を受診されました。
ご兄弟がたくさんおられ
母が困っている姿を見て育った家庭環境。
自分のことは誰にも頼らず、弱さも見せず
努力と忍耐で乗り越えてきました。
職場の不適応は
発達障害の問題というより
常に自己主張を抑え
周りにどうやって
合わせるかと無理していたり
そもそも自分のペースで仕事をするのが
本来性に合っているにも関わらず
会社の業務とのミスマッチが問題でした
ただ頭でそれを理解していても
勤務先の上司にそれを伝えるのは
とても勇気がいることです
彼女は休職中にまず
働いていない自分を許し
少しずつ少しずつですが
本当に好きなことを
思い出していきました
またこれまで他人に相談や弱みを見せるという
概念すらなかったのが
家族、友人にそんな自分を見せられるようになり
つまりそんな自分を自己受容できるようになり
結果的に四面楚歌の状態から
自分は大切にされる存在ということを
思い出していきました。
少しずつ主体性が回復していくと
職場に対しても
自分がどんな働き方をしたいかを
最悪辞める覚悟まで持って
自分の言葉で伝えることができ
(ここが一番勇気がいる山場だったよう)
職場でも部署変更してもらえることができました!
最後の診察では
週末は好きなことに没頭する時間も持て
出勤前の不安や恐れはなくなっていました。
同じ会社に戻っても
彼女のあり方が変わっているので
もう大丈夫です。
マジメで他人のことを一切悪くいうことがなく
芯のある優しい方でした。
当院に一年近く通ってくださりありがとうございました。
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