感情・思考・行動
本日来院された40代のパニック障害の男性
4回で卒業となりました。
社会的には家庭も仕事も順調で
何も困ってることはありません。
ロジカル思考優位で
診察室でもパソコンのエクセルを使いこなして
自己分析されてきたのが印象的でした。
時々突然襲ってくるパニック発作さえなければ
何も問題ないのに。。。
通勤電車には乗らない
仕事など緊張感が高まる状態では起こらない
など起こりやすい状況はご自身で把握されており
ある程度は対処もできてました。
ただどうもエスカレートしてきている。
一体何のサインでしょう??
という問いかけのもと一緒に振り返っていきました。
初診の第一印象は「防衛が強いな」でした。
死別や失敗など感情が伴っても
おかしくないエピソードも
どこか淡々と他人事のような語り口
ロジカルな男性にとても多いです。
思考で合理化させたり
社会的な結果も出せてしまう反面
自分の感情や本音を置き去りしてしまう所が
自己理解においては曲者です。
少し脱線しますが「思考と行動」
何を言ったかより,何を行動したかのが本音
人は自分に対してすら平気で嘘をつきます。
例えば
ダイエットしようと思ってるのに食べてしまう
私はその人が何を言ったかより
その人の行動や目の前に起こっことを採用します。
彼は言葉では常に私のスタンスに猜疑的でしたが
行動では毎回素直にやってこられました。
逆の方が多いんですよね。
相手の前ではその通りという
でも一緒に決めた課題やってこない
そして2回目以降こなくなる
これは私の実力不足もありますが。。。
去るもの追わず
症状がサインや自分が作り出しているなんてこと
多くの患者さんは受け入れたくないです(笑)
話が脱線してしまいましたが、
彼は日常の中で自己分析と自己受容を繰り返し
向き合い続けました。
結果症状がなぜ起こっていたのかを理解し
もう症状が起こる必要性がなくなった。
感情、思考,行動
このあたりの自己矛盾が大きくなると
身体は何らかのサインを出してきます。
山場を越えたら
自己マネージメント感への信頼が生まれます。
ちょっと寂しいですが
これ以上医療に頼らない方が
ご本人にとってよい気がしたので
本日で終診となりました。
短い間でしたが
当院を選んでくださりありがとうございました。
ご本人の同意の上,掲載させていただきます。
